会津部の時間ですよ!

会津に夢も希望も抱いていない主人公が、会津を楽しむための部活に強制入部させられる物語。(※この物語はフィクションです。たぶん)

≪第22回≫俺は、君を人質にできて幸せだった。

強盗は、ユカを羽交い締めにしながら俺を見る。

「おい小僧。お前も俺の邪魔をするんじゃねーぞ。
この、お前の彼女が俺に連れ去られるのを黙って見てることだなぁ!
ヒャーハハハ!」

すると店員は

「すまない、彼氏くん…!なかなか君の彼女を助けることができなくて…!

まぁ、予定では、君の彼女が俺の彼女になる予定ではあるんだけど…!

その点でも、本当にすまないと思っている…!」

誰が彼氏やねん。
そんな狂暴な武士系女、こっちから願い下げだっつーの。

俺はコンビニの出口に向かって歩き出す。

「俺、帰るから。
ユカ、後はよろしく~」


するとユカは、羽交い締めにされながらも身を乗り出そうとする。

「ちょっ…待って!」

すると強盗が

「おい動くんじゃねーよ!大人しく人質になっ…」

そう言いかけた瞬間。

ユカは両手で、強盗が自分を押さえ付けているほうの腕を上下から素早く掴んだ。

そして

「はっ!!!!!!!!!」

その声を発すると同時に
自らの体を勢いよく回転させたと思ったら

ダンっっ!!!!!

強盗を思いきり
床に叩きつけていた。

強盗の手からナイフが落ちた。

店員は素早く駆け寄り、ナイフを拾った。

「ありがとう!今、警察を呼んだ!」

…こうして強盗は、駆けつけた警察官たちに捕獲された。

「ほら、早くパトカーに乗れ!」

そう言う警察官たちに引きずられながら、強盗は振り返り、そしてユカに向かって叫ぶ。

「最後に…最後に、俺は、君に触れられて…密着できて…

その、つまり…

君を人質にできて、幸せだった―――――――――!!!!!!!」

なんだそりゃ。
アイツ、ただの変態なんじゃねーか。