会津部の時間ですよ!

会津に夢も希望も抱いていない主人公が、会津を楽しむための部活に強制入部させられる物語。(※この物語はフィクションです。たぶん)

2020-01-01から1年間の記事一覧

≪第5回≫心のわかだまり

「ふーっ」俺は保健室のベッドに寝転がり、図書室で借りていた本を開く。「あら、本が好きなの?珍しいわね」そう言う保健室の先生に、俺は「別に珍しがられても…って感じ…」「ねえ、さっきまで死んだ魚のような目をしてたけど、本を見てるときは目つきが違…

≪第4回≫保健室での戯れ

「失礼しまーす。体調が悪いので休ませてくださーい」俺は、やる気の出ない体育の授業をサボるために保健室を訪れた。今日が初めての保健室デビュー日。 ちゃんとサボらせてくれるかな。わくわく。すると、椅子に座っていた、保健室の先生らしき人物が振り向…

≪第3回≫学級委員長との触れ合い

「ユウトくん、休み時間は本ばっかり読んでるね。 友達作る気は無いのかな?」そう話しかけてきたのは、明らかにモデル体型のイケメン野郎だった。「は?何か?」俺がそう言うと、イケメンは苦笑しながら「なんでそんなに機嫌悪そうなんだよ。 もしかして、…

≪第2回≫会津に帰還(あまり気が乗らない)

俺は、親の仕事の都合で会津を離れ、そこそこ都会な地域で数年を過ごした。で、高校2年になったら、やはり親の仕事の都合で再び会津に戻ることになった。親の運転する車の窓から会津の景色を眺めると、とにかく山、山。 町に入ると、パチンコ屋と葬儀屋が乱…

≪第1回≫困った幼なじみ

「うぇえ~ん! ユウトくん、私また学校でいじめられたよ~!」小学生時代、近所に住む同い年の『ユカ』は、ほぼ毎日、俺の家に転がり込んで来ては泣きじゃくっていた。「なに?なんなの?毎日毎日。 泣き言を聞かされる俺の身にもなってよ。 俺は、早く本の…