会津部の時間ですよ!

会津に夢も希望も抱いていない主人公が、会津を楽しむための部活に強制入部させられる物語。(※この物語はフィクションです。たぶん)

≪第2回≫会津に帰還(あまり気が乗らない)

俺は、親の仕事の都合で会津を離れ、そこそこ都会な地域で数年を過ごした。

で、高校2年になったら、やはり親の仕事の都合で再び会津に戻ることになった。

親の運転する車の窓から会津の景色を眺めると、とにかく山、山。
町に入ると、パチンコ屋と葬儀屋が乱立していた。

で、ここから先はお決まりのパターン。

会津ひだまり高校』とかいう意味不明な名前の高校に転校した俺は、ホームルームで教師によってクラスメイトに紹介される。

「はい、みんな注目!

今日からこのクラスに転校生がやってきた!
そう、いま、みんなの目の前に立っているユウトくんだ!

ユウトくんはもともとは会津に住んでいたが、親の仕事の都合でそこそこ都会な地域に住んでおり、これまた親の仕事の都合で会津に戻ってきたというわけだ!

ユウトくん、自己紹介よろしく!」

「ユウトです。よろしく…」

俺はそれだけ言うと、自分の席に着いた。

周囲のやつらが、さっそくコソコソ言い始める。

「え、せっかく会津から出て都会に住んでたのに、また会津に戻ってきたんだ…かわいそう~」

「アイツの目、マジで死んだ魚みたいな目してるな。
よっぽど会津に戻ってくるのが嫌だったんだろうな」

都会に住んでたときも、よく『目が死んでる』って言われてたけどな。

「わかるぅ~。せっかく都会に住んでたのにね。
いいなぁ都会。いろいろあるんだろうな~。

会津なんてホラ、あるもの言えば…
パチンコ屋と葬儀屋ばっかりだもんね~」

「親の都合で会津に戻ってこなきゃいけないぐらいなら、私だったら都会に残って独り暮らししてたなぁ~」

もう、言いたい放題である。

なんかコイツらうざい。
全員死んでくれないかな。

ものすごく微妙な空気の中、俺の会津ライフは始まったのだった。