「部室がイカくせぇ」
小柄なゴスロリ少女ミコは、俺を睨み付けながら呟く。
会津部の部室は、畳部屋である。
なので俺は、畳に寝そべりながら好きな本を読んでいる。
昨日、コンビニで購入したスルメを噛みながら。
なぜスルメなのかというと、本を読むと眠たくなる時がある。
特に、こうやって畳に寝そべりながらだと尚更だ。
なので、眠気予防としてスルメを噛みしめながら読書しているというワケだ。
ミコは、更に俺を睨み付ける。
「あーもう。
今まで女の子だけの空間だったのに、イカ臭い男子が近くにいるって最低だわ。
私のジェミーちゃんまで臭くなっちゃうじゃないの」
そう言いながら、何やらキモい人形を撫でている。
コイツは一体、キモい人形を何体所有してるんだ。
俺は視線を本に落としたまま
「うるせぇぞ地雷女。
元はと言えば、テメーが俺に部活から逃げられなくする呪いをかけたんだろうが。
俺は、ここで自由にしていいって言われたから自由にしてるだけだっつーの」
「ぐぬぬ、誰が地雷女よ…」
それにしても変な部活だ。
会津部と言いながら、部員の全員が会津とは関係のない活動をしている。
それぞれ、どんな活動をしているか眺めていると…。
どうやら、俺が一番まともらしい。