会津部の時間ですよ!

会津に夢も希望も抱いていない主人公が、会津を楽しむための部活に強制入部させられる物語。(※この物語はフィクションです。たぶん)

≪第7回≫スポーツマンの誕生

俺はヒロコ先生に向かって叫ぶ!

「ふざけんなよ!こんな、俺の姿をしたテンション高いヤツが、クラスの奴らと一緒に体育なんかしてみろ!

絶対に面倒なことになるぞ!」

「だ、大丈夫よぅ、きっとユウトくんは人気者になれるわよ~」

「なんでだよ!このご時世にテンション高い奴なんか受け入れられるワケねーだろ!
少しは空気を読めよ!」

その瞬間

『やめろ!ヒロコ先生をいじめるんじゃない!』

と、ユウト2号が俺の前に立ちはだかる!

「ゆ、ユウト2号くん…」

ウットリした目つきでユウト2号を見つめるヒロコ先生。

『ヒロコ先生は、君のために頑張ってくれているんじゃないか。
その清らかな心に、俺は応えたい』

「この女の心の、一体どこが清らかなんだよ!
トラブル起こす気マンマンじゃねーか!」

『そんなことはない!ともに、ヒロコ先生を信じようじゃないか!』

「ふざけんなよテメェ!この女と組んで勝手なことすんなよ!」

その瞬間、ヒロコ先生が俺とユウト2号の間に割って入る!

「二人とも、やめてー!
私のために、争わないでー!」

「お前のために争ってねぇよ!」

そう食ってかかろうとする俺を、ユウト2号は制する!

『ごめんなさい、ヒロコ先生。
貴女が美しすぎて、ついムキになってしまった…』

ユウト2号は、そう言いながら頬を赤くする。

そして

『ああ、美しい女性のためにムキになってしまった自分が恥ずかしい!

ちょっと外でサッカーして、頭を冷やしてくるよ!』

と言いつつ、校庭に向かって全速力で走っていった!

『おーい、みんなー!
俺も一緒に混ぜてくれよ!

一緒にサッカーしようぜー!』

その瞬間、ユウト2号を見るクラスメイトたち全員の表情が固まった。

ああ、もう、そうなるよなぁ…

俺はその場に崩れ落ちた。