俺はヒロコ先生に向かって叫ぶ!
「ふざけんなよ!こんな、俺の姿をしたテンション高いヤツが、クラスの奴らと一緒に体育なんかしてみろ!
絶対に面倒なことになるぞ!」
「だ、大丈夫よぅ、きっとユウトくんは人気者になれるわよ~」
「なんでだよ!このご時世にテンション高い奴なんか受け入れられるワケねーだろ!
少しは空気を読めよ!」
その瞬間
『やめろ!ヒロコ先生をいじめるんじゃない!』
と、ユウト2号が俺の前に立ちはだかる!
「ゆ、ユウト2号くん…」
ウットリした目つきでユウト2号を見つめるヒロコ先生。
『ヒロコ先生は、君のために頑張ってくれているんじゃないか。
その清らかな心に、俺は応えたい』
「この女の心の、一体どこが清らかなんだよ!
トラブル起こす気マンマンじゃねーか!」
『そんなことはない!ともに、ヒロコ先生を信じようじゃないか!』
「ふざけんなよテメェ!この女と組んで勝手なことすんなよ!」
その瞬間、ヒロコ先生が俺とユウト2号の間に割って入る!
「二人とも、やめてー!
私のために、争わないでー!」
「お前のために争ってねぇよ!」
そう食ってかかろうとする俺を、ユウト2号は制する!
『ごめんなさい、ヒロコ先生。
貴女が美しすぎて、ついムキになってしまった…』
ユウト2号は、そう言いながら頬を赤くする。
そして
『ああ、美しい女性のためにムキになってしまった自分が恥ずかしい!
ちょっと外でサッカーして、頭を冷やしてくるよ!』
と言いつつ、校庭に向かって全速力で走っていった!
『おーい、みんなー!
俺も一緒に混ぜてくれよ!
一緒にサッカーしようぜー!』
その瞬間、ユウト2号を見るクラスメイトたち全員の表情が固まった。
ああ、もう、そうなるよなぁ…
俺はその場に崩れ落ちた。