まぁ、人間、成長するにつれて変わる人間ぐらいいるだろう。
別に珍しいことじゃないしな。
俺は、ユカに一言。
「助けてくれて、あんがとー。
じゃあ俺、帰る~」
するとユカは
「ま、待ってくれないか?
ユウトくんを助けたこと、恩に着せるわけではないのだけれど…
ちょっと一緒に、来て欲しい所があるんだ…」
そう言うユカに、俺は
「やだ。帰る」
「えっ!いや、ちょっとだけでいいから!」
「やだ。帰る」
「頼むから!」
「やだ。帰る」
「なんでだよ!そこは一緒に来てくれないと話が進まないだろ!?」
「話って!?なんの話!?
とにかく俺は早く帰りたいの!
学校が嫌いなの!
一刻も早く、この学校の敷地内から脱出したいの!」
「どんだけ学校嫌いなんだよ!?
ていうか、今の時間は部活とかやってる時間だろう!」
「部活なんてやりたくないの!
俺は帰宅部なの!!」
そう吐き捨てて足早に帰ろうとした
その瞬間。
「仕方ない。頼む。ユウト2号」
ユカがそう呟いた、その瞬間。
俺と全く同じ姿をしたアンドロイドである『ユウト2号』が、どこからか姿を現した!
そして、俺と同じ声の電子音で叫ぶ!
『ユウトくん、ごっめぇ~ん!』
ゴスッ!
「ぐはっ!」
ユウト2号は、俺の頭を鈍器のようなモノで殴る!
薄れゆく意識のなか、俺はユウト2号の手によって、大きな麻袋に入れられ…
そして、拉致されたのだった。