「う…」
気付くと、俺は畳の部屋に転がっていた。
まだ頭がズキズキする。ユウト2号のヤツ、マジでぶっ破壊してやろうか。
すると、頭上から聞き覚えのある声が響いてきた。
「うふふ…ユウトくん、ついに来たわね~
『この場所』に…」
「!?」
俺は反射的に起き上がる。
目の前にいたのは、保健室のエロ系先生こと
ヒロコ先生。
俺はヒロコ先生を睨み付ける。
「おいヒロコ先生。
ユウト2号を使ってよくも俺を…!」
ヒロコ先生は、不敵に笑みを浮かべる。
「んふふ…アナタには、どうしてもここに来て欲しかったから…
ついつい、手荒な方法を使っちゃったわ。
ごめんね~~~」
「てめぇ、何のためにこんなことしやがった!
答えによっては…」
俺がそう言いながらヒロコ先生の胸ぐらを掴もうとすると…
「ユウトくん、辞めろ」
ユカが、とっさに俺の腕を掴む。
俺はユカの手を振り払いながら
「お前ら、一体俺に何の用なんだよ!
俺なんかに用は無いはずだろ!」
そう言いながら周囲を見渡すと、ヒロコ先生とユカの他に、もう二人の人間が居た。
(コイツらは…)
確か、俺と同じクラスの…
一人は、列車の時刻表を読みふけっていたイケメン。
もう一人は、気持ち悪い人形に笑いながら話しかけていたゴスロリ女。
ゴスロリ女は、黒髪のツインテールを揺らしながら、その小柄な体型に似合わない威圧感で俺を睨む。
「ちょっとアンタ…さっきから何なの?その態度は。
転校生だか何だか知らないけど、あんまり調子に乗ってると呪い殺すわよ…」
すると、今もなお時刻表を開いていたイケメンが言う。
「おいおい、あんまり転校生に怖がらせること言うなよ。
この転校生には、ボクたちの部活に入部してもらうんだからね」
ん?このイケメン、声が女じゃねえか。
まさか、いま流行りの『男装女子』ってやつか?
ていうか、今…コイツ…
俺が、部活に、入る?とか?言った…!?